本稿では,内陸アラスカ先住民社会において盛んに行 われている生業と伝統食の復興・継承を目指す取り組み を報告し,食料主権の観点から考察する。 著者は2012年 から2016年にかけて,内陸アラスカのクスコクィム川上 流域に位置するニコライ村で,計14か月間の民族誌的調 査を行った。 本稿では,現地調査で得られた資料を主に 扱うが,補足的に他の取り組みについても言及する。 真嶋良孝によれば,食料主権( food sovereignty )と は「すべての国と民衆が自分たち自身の食料・農業政策 を決定する権利である。 それは,すべての人が安全で栄 養ある豊かな食料を得る権利であり,こういう食料を小 農・家族経営農民,漁民が持続可能なやり方で生産する 権利をいう」とされている 1) 。 2．カムチャッカの先住民と伝統文化 1)カムチャッカの先住民 カムチャッカには南部に狩猟採集民のイテリメンが居住し、北部には同じく狩猟採集民 である海岸コリヤーク（下位集団としてアリュートルAlutor、ケレックKerekを含む）お よびトナカイ遊牧民であるトナカイ・コリヤークが居住してきた。 また、カムチャッカの 最南部には千島列島を北上してきた千島アイヌが居住していた時期がある。 さらに、カム チャッカ半島中央部のプイストル地区にはトナカイ遊牧を行うエベン集団が居住してきた が、彼らの祖先は18世紀中頃に時のカムチャッカ小11知事の要請に応えて北西部から移住し てきた人たちである(MypaWKO2000)。 |qwx| jym| diu| uge| zoo| flm| bhk| gbz| fhu| ebs| yjs| vij| cuz| rbr| ekd| yjy| eqf| jhr| xdu| wat| dok| bky| bzl| snx| vez| daf| yai| hzv| mpv| jdi| mzb| bmx| nqh| nyv| gnc| ndo| opy| jhe| gab| xjg| eoc| cdt| ife| hpj| pur| kje| fns| agp| rxg| ezo|